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鉄道模型フェア

今回は主な貨車の種類など、貨物列車に関連するものをご紹介いたします。

有蓋車・無蓋車

  • 白黒写真
  • カラー写真

今では日本の貨車はコンテナ車と、タンク車が大半です。かつては有蓋(ゆうがい)車と無蓋(むがい)車が代表的でした。
白黒写真は上が鉄道省(国鉄)の列車で、大阪鉄道局「鉄道読本」(1942年)より。下は相模鉄道の砂利運び列車で、「たのしい科学グラフ 機関車の話」(1948年)より。カラー写真は蒲原鉄道ワ12、一畑電気鉄道ト60(SLキューロク館)です。

  • 有蓋車
  • 無蓋車

国鉄の記号「ワ」の有蓋車は、屋根・壁がある箱型の貨車です。冷蔵車、豚積車、陶器車なども、広い意味では有蓋車です。
国鉄の記号「ト」の無蓋車は、低い壁はあっても屋根がなく、濡れてもかまわない物を運ぶ貨車です。

  • 国鉄ワム80000形1
  • 国鉄ワム80000形2

国鉄ワム80000形は、1960〜81年に26,605両製造。日本の鉄道史上、1形式で最も多く製造された車両となりました。
JR貨物に継承されたワム80000形の最後の営業運行は、岳南鉄道と東海道本線・梅田貨物駅の間の紙製品輸送です。2012年3月のダイヤ改正でコンテナに移行し、同時に岳南鉄道の貨物営業は廃止されました。ワム80000形の引退とともに、2軸貨車の長編成の貨物列車も見られなくなりました。

  • 有蓋車・無蓋車1
  • 有蓋車・無蓋車2

島原鉄道で救援車になったワム80000形(とヨ8000形)をその後に見かけましたが、近年は動いていないようです。有蓋車は、車体が倉庫などに転用される事が多いです。

タンク車

  • タンク車1
  • タンク車2

燃料・薬品・醤油などの液体、気体や、セメントなどの粉を運ぶためのタンクを備えています。
往路と復路で全く異なる品を入れて運ぶような事には適さず(タキ1100形は例外)、積める品目は厳密に定められています。
JR貨物の貨物列車のタンク車は全て、荷主の会社か運輸会社が所有し、JR貨物に車籍がある私有貨車となっています。

ホッパ車

  • ホッパ車1
  • ホッパ車2
  • ホッパ車3
  • ホッパ車4

鉱石、砕石、セメントなど、粉・粒状の物を包装せずに運ぶ「ばら積み」用です。積み荷は車体から落として排出できます。
タンク車なら太さや長さの違いはあれど、どれも円筒形に近いタンクですが、ホッパ車は用途によって形状が全く異なります。

フライアッシュ及び炭酸カルシウム用のホキ1000形、小麦や飼料などの粉体用のホキ2200形などは積み荷を雨に濡らさず運べる構造です。
ホキ800形、石灰石用のホキ2500・9500形などは無蓋です。バラスト輸送・散布用のホキ800形は元々貨物営業用ではなく、JRでは旅客会社にのみ継承されています。

車掌車

  • 車掌車1
  • 車掌車2

車掌車、緩急(かんきゅう)車は車掌が乗務する車両で、貨物列車の最後尾に連結されました。
車掌は書類作成や、連結・解放作業、安全確認、非常時には車掌弁(非常ブレーキ)の操作などの対応を行いました。

ヤード中継輸送から拠点間直行輸送への転換で車掌の業務は減り、1985-86年には貨物列車への車掌車連結と車掌乗務が原則として廃止されました。1974〜79年に製造されたばかりのヨ8000形も含め、大量の車掌車が余剰となりました。

  • 車掌車3
  • 車掌車4

少数の車掌車が蒸気機関車などのイベント列車や、甲種輸送、特大貨物輸送に近年も使われています。廃車後の車体は駅の待合室、倉庫、店舗など色々な用途に使われています。

コンテナ車

  • コンテナ車1
  • コンテナ車2

コンテナは業界で規格化された寸法の容器で、鉄道とトラックや船との間で中身の積み替え作業をせずに輸送が可能です。
国鉄では1959年、汐留〜梅田間のコンテナ列車「たから号」で本格的なコンテナ輸送が始まりました。

  • コンテナ車5
  • コンテナ車6

特殊な設備がない箱型・汎用の有蓋コンテナのほか、冷凍コンテナ、液体を入れるタンクコンテナなど多数の種類があります。荷主の会社が所有する私有コンテナはそれぞれデザイン・構造などが異なり、個性豊かです。

  • コンテナ車7
  • コンテナ車8

コンテナ積載用の貨車であるコンテナ車の外見は比較的簡素ですが、軽量化、高速化、新しいタイプのコンテナへの対応など改良が重ねられています。コンテナの普及により、貨物の種類によって専用の貨車を備えておく必要がほとんどなくなりました。

車運車

  • 車運車1

自動車の製造工場からの新車輸送には、無蓋車が使用された時期がありましたが積み込み、固定などが不便でした。自動車輸送に特化した車運車は、1960年代に私有貨車4形式などでの試行錯誤を経て、国鉄ク5000形が1966年から量産されました。

荷物を載せたままのトラックを車運車で運ぶピギーバック輸送は、1980〜90年代に盛んでした。ドライバーの移動、積み替えを省略でき、トラックドライバー不足への対処としては、効果的でした。ピギーバック専用の車運車として、クム80000形、クム1000・1001形などが製造されました。
しかし大型トラックを乗せられない、鉄道輸送中は運転席などのスペースが無駄、トラックの自重も運賃に含まれるなどの欠点があって需要が減り、コンテナ輸送に取って代わられました。

大手私鉄の貨物列車

  • 大手私鉄の貨物列車1
  • 大手私鉄の貨物列車2
  • 大手私鉄の貨物列車3
  • 大手私鉄の貨物列車4

現在は貨物営業を行う大手私鉄はゼロですが、1990年代には東武鉄道、西武鉄道、相模鉄道がありました。
西武E851形は国鉄EF65形と同等の車体・出力で、私鉄最強クラスの電気機関車です。1996年の貨物営業廃止まで、秩父線のセメント用タンク車などを牽引しました。
最後に残ったのは東武鉄道です。小麦、セメント輸送などの廃止に次いで、千葉県の京葉臨海鉄道からJR経由、東武佐野線までの石油輸送が2003年に廃止されました。
なお関東以外の大手私鉄では近鉄養老線(現・養老鉄道)の1996年廃止が最後ですが、そのかなり前から運行されていなかったようです。

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