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鉄道模型フェア「雪にいどむ」

今回は雪が多い地域の列車・雪かき車、冬の風景の再現に便利な商品などを紹介します。

雪にいどむ鉄道

例年11月頃にJR西日本などでラッセル車の試運転が行われたのち、本格的な冬が到来します。そして鉄道と雪の闘いが始まります。 北海道から山陰までの24道府県、国土の半分以上は国から豪雪地帯に指定されています。降雪は4月頃までに止まりますが、地域によっては一年の半分ほどは雪とともに暮らす事になります。

日本の鉄道における雪かき車は、北海道の幌内鉄道で1880年代に使用された「雪払車」が最も初期の例として知られています。先端にとがった除雪装置を持つ木製2軸車で上部に窓があり、10人ほどが入れたそうです。

国鉄の代表的な雪かき車は、ラッセル車、マックレー車、ロータリー車、ジョルダン車の4種がありました。1960年代には自力走行不可で、蒸気機関車によって牽引・推進される雪かき車が主力でした。 現在のJRにはそういった車両はなく、ディーゼル機関車やモーターカーが雪かきに使われています。

国鉄では無蓋貨車に付けたジェットエンジンの噴射力で、雪を吹き飛ばす試験を1961年に行いました。強力過ぎるなどの理由で、実用化には至りませんでした。 JR西日本では異例のラッセル気動車・キヤ143形が2014年から製造されています。

ラッセル車

最も代表的な種類の雪かき車です。クサビ形の前頭部で雪をかき分け、側面に広げたウイングで線路脇へ飛ばします。日本では1910年代以降に本格的に導入されました。当初は木製車で、1928年製の単線用ラッセル車・国鉄キ100形以降は鋼製となりました。単線用は雪を進行方向の両側へ、複線用は隣の線路を埋めないように左側へはねのける構造となっています(国鉄は原則左側通行のため)。

国鉄キ100形は新潟交通や小坂鉄道などの私鉄に譲渡され、弘南鉄道・津軽鉄道では製造から90年近く経っても在籍。弘南鉄道では、2022年に入っても電気機関車に押されて除雪に出動しています。

マックレー車(かき寄せ雪かき車)

ラッセル車を使うだけでは、線路の横に高い雪の壁が残ります。機関車に引っ張られながら、線路脇の雪の壁を「八」の字型の翼で崩し、中央にかき寄せます。機関車+マックレー車だけでは、除雪として意味がありません。かき寄せた雪を、後から来たロータリー車がはね飛ばします。

ロータリー車(回転雪かき車)

ロータリー車は、前方の回転羽根車で雪をかき込み遠くへはね飛ばします。

国鉄キ600形、その改良型のキ620形では蒸気機関車と同様にボイラー、炭水車を備えていましたが、これは羽根車を回転させるためだけの動力源であって、自力走行は出来ませんでした(ただし鉄道模型では昔、自走する製品もありました)。写真は「雪の東北」(仙台鉄道局)よりキ600形です。

ジョルダン車(広幅雪かき車)

駅構内のような広い場所に使いました。キ700形は、前面の翼を広げるとラッセル車より幅広な7mの除雪が可能でした。小樽市総合博物館のキ718・キ752など北海道に複数保存されています。

ディーゼル機関車

ラッセル式(DD15形、DE15形など)、ロータリー式(DD14形など)などの除雪装置を装備できるディーゼル機関車が国鉄に1960年代から登場しました。 冬以外は使いみちがなかった従来の雪かき車とは異なり、除雪装置を外せば通常の機関車として使えます。 写真はJR西日本のDE15形(撮影後に、あいの風とやま鉄道に譲渡)です。前後にラッセルヘッドを装備し、方向転換して除雪する時に便利です。

その他の雪かき用車両

鉄道車両ではなく機械という扱いのモーターカーは、簡単な手続き・操作で柔軟な運用が可能です。 写真はJR北海道のHTR-600形と、弘南鉄道大鰐線の車庫で待機中のモーターカー(青い森鉄道から譲渡)です。ラッセル、ロータリー両方の機能を状況に応じて使用できます。

電気機関車にラッセルヘッドを付けて雪かきを行う私鉄では、北陸鉄道(ED201)、えちぜん鉄道(ML521・522)などがあります。

雪にまつわる列車

1990年代前半の北陸本線で「スーパー雷鳥」とすれ違っている485系は、神戸〜長野間で運行された「シュプール妙高・志賀号」です。スキー客輸送用の臨時列車「シュプール号」各種はJR東日本・東海・西日本・九州で運行されましたが、最後に残ったJR西日本でも2006年度で廃止されました。

683系8000番代は北越急行が2005年に導入した車両で、681系2000番代と同じくSnow Rabbit Expressという愛称がありました。白地に赤帯で特急「はくたか」に使用されました。北陸新幹線開業の2015年にJR西日本に譲渡、特急「サンダーバード」「しらさぎ」に転用され塗装も変更されました。

寒地ならではの装備・設備

スノープラウ、蒸気・ディーゼル機関車の旋回窓、電気機関車の「ツララ切り」、蒸気機関車の「密閉キャブ」などは寒地での安全運行には重要な装備です。 青森県・津軽鉄道の「ストーブ列車」は、冬期に旧型客車に備えた石炭ストーブを使用して運行され観光客に人気です。 東海道新幹線関ケ原付近や上越新幹線では、雪の舞い上がり防止と、雪をとかすために温水スプリンクラーが設置されています。

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