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鉄道模型フェア   蒸気機関車と関連施設 客車・貨車・機関庫・転車台

「SLブーム」の時代から約半世紀が過ぎました。今回は蒸気機関車と、牽引される車両の模型とともに、形式の意味などを簡単にご紹介します。

国鉄蒸気機関車の引退

明治時代から日本の鉄道の主力だった蒸気機関車は、電化・ディーゼル化の進展により1960年代以降に急激に減少しました。 国鉄で最末期まで残ったのは北海道のC57形、D51形、9600形でした。1975年12月に旅客・貨物の定期列車、1976年3月に入換用機関車の運転が終了しました。

その後は「SLやまぐち号」のC57 1などが、特別にイベント列車用として動態保存されています。

戦後を代表する特急機・C62形

C62形は、国鉄最大級の旅客用蒸気機関車です。貨物用D52形のボイラーを流用して1948〜49年に49両が製造されました。 当初は東海道・山陽本線で特急「つばめ」「はと」などを牽き、その後に東北本線・常磐線・呉線、最後は函館本線で活躍しました。 17号機は木曽川橋梁の強度試験で時速129kmという国鉄蒸機の最高速度記録を残しています。

現在は1・2・26号機が京都鉄道博物館、17号機がリニア鉄道館、3号機がJR苗穂工場に保存されています。 3号機は一時的に動態復活し、JR函館本線で1988〜95年に「C62ニセコ号」として運行しました。 Nゲージ完成品ではカトーから「東海道形」などが発売されています。

蒸機機関車の種類

蒸気機関車はタンク機関車と、テンダー機関車の2種類に大別されます。 タンク機は、機関車本体に燃料の石炭と水を積みます。C11形の場合は運転台の後方が石炭庫で、その下と、前方側面(ナンバープレートがある部分)のタンクに水が入っています。 石炭と水を積める量は少ないですが、後方の見通しが良くバック運転に適しています。

テンダー機は、テンダー(炭水車)を連結していて主に長距離運転用です。テンダーなしでは使えません。

国鉄蒸気機関車の形式・番号

1909年の改定から1928年までは、国鉄蒸気機関車の形式・番号は原則として1〜9999の4ケタ以内でした。
1〜4999:タンク機関車
5000〜9999:テンダー機関車

更に動輪の軸数により、3軸(C形)が7000・8000番代、4軸(D形)と「マレー式」が9000番代などの区分があります。「1100号」が1070形であったり、形式は難解です。 9600形は9600〜9699が製造された後、19600〜19699、29600〜29699と万のケタを使い出しました。既に9700形などが存在したためでした。こうした破綻により再び改定となりました。

C51形など、動輪の軸数を表すアルファベット+2ケタの数字のおなじみの形式は1928年の改定からのものです。49以下がタンク機関車、50以降がテンダー機関車です。 B10、B20、B50、C10〜12、C50〜62、D50〜52、D60〜62、E10が存在しました。C10〜12など、基本的には数字は登場順ですが、C50がC51より新しいなど例外も多くありました。 なお改定前に製造された機関車の形式は、原則としてそのままにされました。9900形→D50形、18900形→C51形などの変更は数少ない例外です。 「C57 128」など形式の後に通し番号がつくので、数百両製造されても形式を判別しやすいです。

軽便鉄道の機関車

「軽便(けいべん)鉄道」は、一般的には軌間1067mm未満の簡易な規格で建設された鉄道を指します。その由来の法律「軽便鉄道法」が廃止された後の昭和期でも、鉄道ファンの間などで呼ばれました。1970年代までに大半が改軌、または廃止されました。

軌間762mmの蒸気機関車としては静岡鉄道駿遠線B15(立山重工業製)や、井笠鉄道1(ドイツのコッペル製)などが現在も保存されています。こうした軌間762mmの車両は、1/87スケール・軌間9mmのHOナローゲージとして模型化されています。

公園の機関車

廃車になった蒸気機関車の保存例は、1950年代以前には博物館などごく少数でした。 蒸気機関車が全廃に向かう中での「SLブーム」で状況は一変します。当時鉄道が無かった沖縄県まで、1970年頃から全国各地の公園などで保存されるようになります。 無煙化が早かった東京や神奈川では、北海道や関西などの遠方で働いた機関車を運んできました。

蒸気機関車が働いた時代を知らない世代でも、身近に接する事ができます。北丹鉄道2号機など、本物と見間違うようなレプリカが展示されている例もあります。

機関庫

機関庫は古くは長方形の矩形(くけい)庫が主流でした。主に大正〜戦前期に、ターンテーブルに面する扇形(せんけい)庫も多く建設されました。 扇形庫は、大規模なものでは20線以上の線路が引き込まれていました。現存する扇形庫では北海道の旧手宮機関庫(小樽市総合博物館)や、京都の旧梅小路機関区(京都鉄道博物館)が有名です。

なおカトー・トミックス製の電動ターンテーブルは、2021年現在、メーカー完売となっています。

給水・給炭施設

水と石炭がなくては、蒸気機関車は走れません。走行距離によっては、機関区に帰った時だけでなく途中駅でも給水・給炭が必要です。 蒸気機関車の引退後も、電車や気動車が走る横に役目を終えた給水塔などが残っている事があります。 例えば、東武鉄道館林駅構内に偶然残されていた給水柱(スポート)が下今市駅に移設・展示されています。

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