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『 MQA-CD 』対応プレーヤー続々発売!

2020.2.23

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、本日は、TRIODE、LUXMANなど、対応プレーヤーが続々登場している『 MQA-CD 』の魅力に迫ってみました。また、筆者おすすめの「MQA-CD」ソフトもあわせてご紹介いたします。

■2020年「MQA-CD」元年となるか?


タイトルの "元年" に違和感を感じる方は多いと思います。私自身もすでに「MQA-CD」や「MQAファイル」にどっぷり浸かってしまっており、メインソフトの座を占めているのが現状です。しかし、その素晴らしさを享受できていないオーディオファンが如何に多いことか・・・。全く興味がないという方は少ないと思うものの、さてどうやって、どのようにMQA再生機器を導入しようか・・・という時点で、恐らくストップしてしまっている方が多いことと思います。

しかし、昨年(2019年)秋の製品発表から、様々な事情で数ヶ月遅れたものの、やっとのことで「TRIODE」1機種と「LUXMAN」1機種のMQA-CD対応CDプレーヤーが遂に正式発売に漕ぎ着けたのです。(今春にはLUXMAN「D-10X」が発売予定)

そこでこれを機に、選択肢が従来のMQAデコーダー搭載の「Mytek(マイテック)」のD/Aコンバーターや、「Cocktail Audio(カクテルオーディオ)」のマルチメディアプレーヤーなどに加え、純国産のMQA-CD対応プレーヤーにも広がってきたことで、今年(2020年)が本当の意味での「"MQA-CD元年"になれば良いなぁ」との希望的観測から、今回 "元年" を使わせていただいた次第です。

「MQA(Master Quality Authenticated)」が正式に発表されたのは2015年ですから、既に4年以上経過していることになります。しかしハードは、「SONY」や「Cayin」などのポータブルプレーヤーや「AudioQuest」「iFi-Audio」のポータブルDAC(レンダラー)が中心で、本格的なオーディオファンのための対応機器はかなり限定されており、殊にMQA-CD対応機ともなると選択肢が殆ど無かったのが現状です。

■ソフト面も充実


ソフト面では、かなり早い段階から「e-onkyo」や「2L」のダウンロードサイトや、「TIDAL」のストリーミングサイトがMQA音源を供給してくれています。また「MQA-CD」は、2018年ユニバーサル・ミュージック、2019年ワーナー・ミュージックの大手レコード会社が参入し、マイナーレーベルや輸入盤を含めると、かなりのタイトル数が揃って来ています。

・参考;MQA-CDソフト情報 (MERIDIAN AUDIO)※外部サイト

「MQA-CD」ソフトはMQA未対応のCDプレーヤーで再生しても、同じタイトルの通常CDより「良い音」で聴けるため、将来、対応ハードの購入をご検討の方は、お好みのアーティストの「MQA-CD」を先に入手しておかれることをおすすめします。その「良い音」で聴ける理由を、次項以降で、分かりやすくご説明させていただきます。

■MQAが「良い音」で聴ける理由


それは「MQA」が音の時間軸解像度を飛躍的に高めたことによるものです。最新の神経工学では、人間の耳は周波数より「時間軸の音の解像度」に対して、遙かに敏感であることが解ってきたのです。

その「時間軸の音の解像度」とは、その音がいつ始まって、いつ終わったか、あるいは音の方向や奥行き、スピード、残響や反射などを感知するために重要な要素です。実際のPCM音源やCDソフトでは、どうしても本来のマスターに比べると人間の感知能力を遙かに上回る大量のプリエコーやポストエコー(ノイズ)が存在してしまっています。これが「音のボケ」とも言われるリンギング(時間軸のエコーノイズ)なのです。

実際に人間が検知できるとされる「時間軸情報の解像度」は3μ秒(マイクロ秒=100万分の1秒)といわれています。既存のPCM 192kHz/24bitの音源では約250μ秒のプリエコーが生じるのに対して、MQAでは5μ〜8μ秒を達成しており、トータル(インパルスの前と後)では実に500μ秒から約10μ秒未満まで減少させているのです。これが通常CDにおいても滲みのないクリアで響きの美しいサウンドを実現できる理由です。

もう一つのMQAの画期的な所は、膨大な情報量のスタジオクオリティの音源を、CD並のコンパクトなサイズにロスレスで圧縮する『 オーディオ折り紙 』と呼ばれる独自技術を採用したことです。前述の音楽の時間軸解像度を重視し、スタジオマスターの時間軸情報にダメージを与えず、効率良く符号化する技術です。

具体的には、MQAでは帯域の中のハイレゾ音声信号の領域を、「折り畳んで」CD相当のデータ領域の検知閾下(いきか=ノイズレベル以下の知覚されないレベル)の領域に格納するのです。この圧縮方法を「オーディオ折り紙」とMQAでは呼称しています。再生する際にはその格納された領域から折りたたんだ部分を展開し、元のデータに戻すのです。

例えば、192kHzの音源では、CD品質(48kHz)のデータの閾下に48kHzから96kHzまでを、更にその下に96kHz以上で192kHzまでのハイレゾ成分を格納し、再生時にはそれを元に戻すのです。ただ折り方は、畳む時に二回折り返されており、元に戻すときには二回折り直さねばならないのです。はじめの一回目の展開のことを「コアデコード(これをデコードするのがレンダラー)」、二回に展開することを「フルデコード」と呼びます。

これらの結果、192kHz/24bitのハイレゾFLAC音源では150MBのサイズが必要なのに対して、MQAでは音質を維持した上で、それが30MBで済むのです。圧倒的な軽量化を達成していると言えます。また、現時点でMQAの音源データには2種類が存在します。一つがMQA自身の手によってMQA化された「MQA Studio」(MytekやLUXMANでは青のLED表示)、もう一つが配信側やソフト側によってMQA化された「MQA」(同・緑)です。

■筆者おすすめの「MQA-CD」ソフト


私はすでに30タイトル以上のMQA-CDやダウンロードしたMQA音源を所有していますが、その中でも特に気に入っているソフトを少しご紹介しておきます。

※音楽・映像ソフトは、他の商品とは別精算となります。

日本のミュージシャンとして初めての新譜MQA-CDです。南佳孝の声の質感はリアルで、特に2曲目は圧巻です。


1979年発表した彼女の初のスタジオ・アルバムですが、古さを感じさせないリアルな声が魅力です。


1964年録音の名盤中名盤です。まさにアナログレコードの感動が蘇ります。

オムニバスのためすべてが高音質という訳ではありませんが、1980年代以降録音の曲は抜群のスケール感です。


【5】ボブ・ジェイムス・トリオ 「Espresso 」EVSA572M(※Joshin webショップでの取り扱いなし)

最新録音のMQA-CDです。とにかく高解像度サウンド、リアル感、グルーブ感はMQAの実力が遺憾なく発揮されています。


【 番外 】松任谷由美「45周年記念ベストアルバム ユーミンからの、恋のうた」MQA 96kHz/24bit(ハイレゾ音源配信サイト e-onkyo music

比較的新しい楽曲が中心で新たにリマスターされた録音は抜群です。CDでは絶対聴けないサウンドです。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)