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今年は 『 PCオーディオ 』に再チャレンジしてみませんか?

2018.2.9

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、復活の兆しが見える 『 PCオーディオ 』 について特集いたします。筆者の考えやこだわりをはじめ、PCオーディオに再チャレンジを検討されている方へのポイントなどもお伝えいたします。

最新鋭DACチップ「ES9038PRO」を採用!!
オッポ 『 Sonica DAC 』

■ 『 PCオーディオ 』 減速の原因を探る!


『 PCオーディオ 』 (パソコンを使ったファイルオーディオ再生)は2008年頃から次第に注目されるようになり、小型USB-DACが海外オーディオメーカー、国内オーディオメーカー、PCメーカー、そして楽器メーカーまでが入り乱れての開発競争となったのは、まだ記憶に新しいところです。しかし2016年頃から次第に元気がなくなり、製造メーカーが一社抜け二社抜けして次々市場から退場していきました。

筆者なりに 『 PCオーディオ 』 減速の原因を分析してみますと、

@PCM・DSDのスペックばかりが強調され過ぎ、またぞろ従来からのオーディオ業界の欠点でもある数字競争に陥ってしまった。
Aハイレゾという言葉のみが一人歩きし、CD以上のスペックであれば録音や音の善し悪しに関係なく、何でも「ハイレゾ=高音質」という間違った認識が蔓延してしまった。
Bピュアオーディオとポータブルオーディオがハイレゾという言葉だけで一緒くたにされ、最も重要な「高音質」が忘れ去られてしまった。
C当然のことながら、PCメーカーなどオーディオのスキルのないメーカー製のUSB-DACのプアなサウンドがオーディオファンに敬遠され、熱が冷めてしまった。
Dオーディオファン自体のPCのスキル不足が災いし、PCのトラブルに惑わされるケースが増えるにつれ、次第にPC離れが起こってしまった。
Eネットワークオーディオが本格化して、PCオーディオとの混乱を生じさせ、どちらに進むべきかとユーザーに迷いを生じさせてしまった。
F2014年頃からアナログブームが起き、チープなUSB-DACとの比較ではアナログが優位に立ってしまい、PCオーディオが忘れ去られた。その後はアナログブームも終息。

という具合で、『 PCオーディオ 』 の新しい話題も最近は、とみに少なくなってしまっていました。しかし昨年の半ば頃から、再び 『 PCオーディオ 』 に新たな息吹が感じられるようになってきたのです。今回はその辺りを探ってまいります。

■ 『 PCオーディオ 』 が再注目!


今年(2018年)、『 PCオーディオ 』 が再び注目される理由があります。それは、

@2017年に登場した、OPPO D/Aコンバーター 『 Sonica DAC 』 と、ユニバーサルプレーヤー 『 UDP-205 』 が大ヒット!
A米国プロ用レコーディング機器メーカー MYTEK Digtal の最新鋭D/Aコンバーター+プリアンプ 『 Manhattan DAC II 』 と 『 Brooklyn DAC+ 』 の登場!
BTEACが超ハイスペックのUSB-DAC搭載ヘッドホンアンプとネットワークプレーヤーの最新鋭機を市場に投入!
C"MQA" (Master Quality Authenticated) 対応のハードとソフトの出現!

特にCの"MQA"は提唱メーカーの英国「メリディアン」に加え、ハード側は国内では「TEAC(ESOTERIC)」「SONY」「PIONEER」「ONKYO」など、海外では「dCS」「iFi-Audio」「LUMIN」「audioquest」「SIMAUDIO」「MYTEK Digtal」などの一流メーカーが既に参入を決定しています。ソフト側でも「Warner」をはじめ、「UNIVERSAL」「SONY」のメジャーレーベルが既に参入を表明していますが、現時点では「e-ONKYO」「TIDAL」などの音楽配信サービスでの展開がその中心となっています。

ただ、"MQA"ファイルの再生には、デコーダーがなくてもそれ自体が通常のCD(PCM)として再生できるという完全な互換性があり、そこが大きな強みです。この特長を生かしたメディアが"MQA-CD"です。すでに「OTTAVA Records」「2L」「Chesky」などオーディオファンが注目するレーベルが発売を開始しました。

■ 『 PCオーディオ 』 にこだわる理由


ここで筆者が「PC&ネットワークオーディオ」、中でも特に 『 PCオーディオ 』 にこだわる理由を今一度、整理しておきたいと思います。

従来からオーディオというものは、マイクで拾った音を一般家庭のスピーカーで再生することでした。しかし、それは気が遠くなる程の長い行程を経て、我々に届けられてきたのです。まずマイクで拾った音は、磁気テープに記録され、マスタリングやディスク化など、複雑な制作過程を経て作られるアナログレコードやCDソフト、それらを再生するためのプレーヤー、レコードならターンテーブル、カートリッジ、アーム、そして、フォノイコライザー。CDでは複雑なメカドライブや、信号を拾うための光ピックアップなど、マイクからスピーカーまでの距離の何と長いことか・・・。

しかし、「PC&ネットワークオーディオ」では音源ファイルの再生となるため、スタジオのマイクで収録した時点で、既にファイルというデジタルデータになっており、それがアナログに変わったり、メカニズムを介したりすることなく、そのままの形で手が加えられることなく我々まで届くのです。これこそ革命とも言える画期的な出来事といえます。

またCDプレーヤーでは、ダイレクトに再生する(信号をピックアップしながら即D/A変換しなければならない)ためには必要不可欠な、補正やピックアップのサーボの電流の増減による音質劣化が、どうしても避けられなかったのです。しかしCDをリッピングしたデジタルファイルであっても、一旦ファイル化してしまうことで、不安定要素から逃れられ、そのメリットには想像以上のものがあります。それは誰もが経験済みだと思います。

ただ、ネットワークオーディオは、家庭内でのネットワークの構築という、多少の敷居の高さもあり、PCオーディオ程には、どなたでも簡単にというわけにはいかないのが現状です。しかもその便利さやスマートさ故、AVアンプやポータブルオーディオ、ミニコンポなど、ホームオーディオの分野の方が先行しており、最近になってやっとハイエンド機が続々と登場してきているのが現状です。

『 PCオーディオ 』 にされるか「ネットワークオーディオ」にされるかは、お使いになるユーザーに委ねたいとは思いますが、特に 『 PCオーディオ 』 に再度チャレンジしていただく場合に、最低限押さえておいていただきたいポイントを最後に挙げておきたいと思います。

■最後に


@DACチップには、最新鋭のESS Technologyや旭化成エレクトロニクスなど、歴代最高性能デバイスが採用されている。 ※「ES9038Pro」や「ESS9028Pro」「AK4497」で、これらは単なる数字競争ではなく確かに音質が良い。
Aハイエンド機として、音質にこだわったアナログ回路や、電源回路、高性能なクロック回路が採用されている。
BMQA再生に対応 ※将来ファームウェアによるアップデートの可能性もある。

勿論これらの条件が絶対必要なものではありませんが、あれば将来に亘っての安心感は十分担保されるのではないかと思います。2018年、「PCオーディオ」に再チャレンジしてみようではありませんか。オーディオがもっともっと面白くなるのは間違いありません。"once again PC-Audio"

最後に、PCオーディオ対応の注目製品をご紹介いたします。

@ティアック・USB-DAC/ヘッドホンアンプ『 UD-505-B 』『 UD-505-S 』
定評ある「UD-501」「UD-503」に続く第3弾。ハイエンド・オーディオの設計思想を凝縮させ、PCM 768kHz/32bit、DSD 22.5MHzに対応したデュアルモノーラルUSB-DAC&ヘッドホンアンプ。DACに「AK4497」、10MHzの外部クロック入力対応。ヘッドホン端子は6.3mm標準端子×2+新たに4.4mm 5極端子、Bluetoothも搭載し、現代的な仕様をすべて網羅しています。サウンドはクリアでナチュラル、音場はリアルそのものです。

Aティアック・USB-DAC/ネットワークプレーヤー『 NT-505-B 』『 NT-505-S 』
機能や構成面では前作「NT-503」を進化させたモデルといえますが、サウンドは大きく変貌を遂げています。前作の真面目さや色づけの少なさなどとはかなり趣の異なる華やかでリッチな表現力を持っており、ハイエンドに通じる魅力的なものになっています。本機は、Esotericのフラッグシップ「N-01」と共通部分が多くなっているのも特徴で、DACに「AK4497」、10MHzの外部クロック入力、そして大注目のMQA対応となっています。

Bオッポ・ネットワークオーディオ・USB-DAC機能搭載D/Aコンバーター『 Sonica DAC 』
DACには「ES9038PRO」を採用。このクラスの製品としては全く異例です。USB入力ではPCM 768kHz/32bit、DSD 22.6MHz(DSD512)の音源再生対応。さらに再生可能なメディアは、Bluetooth、AirPlay、SponifyとTIDAL、USBメモリ、インターネットラジオと、まさにてんこ盛り状態です。充実した電源回路やフルバランス設計のアナログ回路を採用。サウンドは高分解能で解像度が高く、鮮度感、立ち上がりの速さも抜群です。

Cオッポ・ユニバーサル/4K Ultra HD プレーヤー『 UDP-205 』
通常ビデオディスクプレーヤーでの採用は到底不可能な「ES9038PRO」をステレオ用とマルチチャンネル用に独立して贅沢にも2基搭載しており、USB-DACとしても第一級です。高剛性化、低重心化、振動対策などのノウハウが最大限、しかも効率良く投入され、高級オーディオ機器並の徹底度です。サウンドは本格的なもので、安定した厚みのある低域、ヌケの良い中高域は、まさにハイエンドの世界そのものです。

Dマイテック・D/Aコンバーター(USB-DAC)+プリアンプ『 Brooklyn DAC+(SL) 』『Brooklyn DAC+(BK) 』
人気の手のひらサイズで機能満載の「Brooklyn DAC」のバージョンアップ版。DACチップを「ESS9018」から「ESS9028Pro」に、アナログボリューム、フォノEQ、ヘッドホンアンプなども大幅グレードアップしています。PCM 384kHz/32bit、DSD 11.2MHzまで対応。しかもMQAレコーダーを内蔵しており、ON-OFFの切替も可能です。フォノEQも優秀で入力系も充実しており、プリアンプとしても第一級です。※詳しくは後日レポート予定

Eマイテック・D/Aコンバーター(USB-DAC)+プリアンプ
『 Manhattan DAC II(SFM) 』『 Manhattan DAC II(GS) 』『 Manhattan DAC II(BM) 』 「Manhattan DAC」の改良版で、DACに「ESS9038PRO」を搭載、内部基板も完全に一新され、筐体もより堅牢になっています。フェムトクロック、抵抗ラダー型のアナログボリューム、強力な電源部を持ち、デジアナ分離は勿論、回路別にローカル電源を配置するという高品位電源です。MQAにも対応しています。サウンドはプロ機を得意とする同社らしく、スタジオの微細な音やミュージシャンの姿形まで再現する高解像度を実現しています。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)